やさがお栽培の手引き
ここでもっとも育てやすい(サボッテンが登場してからはその座を奪われたが)やさがおについて、その栽培方法を紹介する。
やさがおは、バーチャル農場で栽培される植物の中でもっともはやく発芽する。播種からわずか10分。発芽後の水分量も10%以上であれば、100%までOKなので、たっぷり水を与えておけば、枯死する心配もない。3日弱で実を収穫することができるので、播種時に水分量を100%にしておけば、収穫まで一度も水を与えなくてもよい計算になる。
開花までの時間も最短で(99/10/28現在)、わずか2日(48時間弱)である。花が売れるので、開花の時点で売却してもよいが、単価が安いので、買った種で育てた花は売却しない方が得策である。花は交配に使えるが、ほとんどの種(おそらくすべての種)で、やさがおとの交配では、なんの変化も起きない。これは、やさがおの花で交配しても、やさがおの花に交配しても同じことである。
およそ2日と19時間あまりで実を収穫することができる。実がとれるまでの周期が他の植物に比べ短いので、種を増やすことが容易い。実はその後、3日程度ついているが、その後はやさがお自体が枯れて実をとることができなくなる。
実は人の顔の形をしており、これが「やさおとこの顔」に見えることから「やさがお」の名がついた。実からは4つの種を取りだすことができる。種は売却することができないが、畑にまけば2日で花がとれるので、花にして売るのが望ましい。ただし安価である。
なぜ、やさがおの実が「顔」の形になったかは諸説あるが、もっとも有望な説としては、本州と九州の境、下関近海の壇ノ浦でとれる平家ガニの甲羅が人の顔に似た理由と同じ説があげられている。
やさがおの種苗育成が近代化される前の時代、自然現象に畏怖の念をいだく耕作家たちの手によってやさがおは育てられてきた。小さな実だが、増やしやすく食用できたため、その実は大量に栽培された。しかしながら、その実が顔に見えるものは、「やさおとこ」の霊が憑依しているとされ、食(しょく)されず、次の実をとるための種(たね)として利用された。この人為的な淘汰により、やさがおの個体は「人の顔に見えるほど種を残す可能性が高く」なった。結果、今日のような顔の形をした実を有することとなったいう説である。
淘汰による進化の証拠としてダーウィン派に受け入れられた説ではあったが、やさがおが人によって栽培されはじめてたかだか1000年程度。その時間的尺度で進化とよべるまでの変化が起きたのかどうかは謎である。
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